退去時もれなくお金を回収しませうの話
こういったブログはなるべくあっさり読めるように、できる限りややこしい話にならないように書きたいとは思っています。思ってはいるんです。
でも題材が「賃貸借契約」だから、どうしても漢字多めのややこしい話になってしまうんだよなぁ。
前回だいぶ長くなったし反省したんですけど、今回もやっぱり漢字多めになってしまいました。
法律用語絡んでくるとだめですねぇ…。
でも今回もお金に直結する話なので、頑張って読んでほしいです。
こういう話があるんだなって頭にいれとくだけでも違うと思うから。マジで。
もくじ!
退去時に返ってくるお金?
散々法律の話をしていながら著作権がだめ(アフィ収入もないし利益目的のブログじゃないからゆるしてほしい)。
今回は「敷金」と「火災保険料」についてのお話です。
これまた知ってるかそうでないかで退去時に得られるお金が数万円単位で変動する可能性があります。
どうにも引越しって次の家の初期費用が気になるところですが、今の契約で回収できるところから最大限回収しておくこともそりゃ大事ですよね。
退去の時のお金の云々の話ってご存じですか? 壁紙どうとかクリーニングがどうとかでお金取られるけど経年劣化だと実は払わなくていいよみたいな
先日頂いたこちらのコメントに記事まるごと使ってお返事していきます。
敷金はそもそも気になってた人もいると思うけど割と私は火災保険料の方を是非知っておいてほしい(ツイッターでも何度か「火災保険料は解約しような」って投稿したことあるけど、140字じゃ詳しく書けないので今回きちんと解説するね)。
敷金が差し引かれる例
敷金については退去したタイミングで借主がぶっ壊した部分についての修繕費を差し引かれた金額で返ってきます。
問題はこの「借主がぶっ壊した」の範囲ですが、、イコール「借主の故意・過失によるもの」とは限りません。
そもそも大家さんが敷金を差し引いて、というか修繕費を請求してOKな法律的根拠について説明しときます。
部屋を借りた人は、部屋に対して「善良な管理者としての注意義務」を負うこととなります。略して善管注意義務(ぜんかんちゅういぎむ)。何故なら借りているだけで部屋自体は大家さんの所有物だから。
部屋借りた!家賃払ってる!ここは私の家!といって好き勝手しちゃいけません。水漏れしてても別にええわwで放置しちゃだめだし修繕(というか報告かな)しないといけないし、ゴミ屋敷にしてもいけない。
なのでこれを破って部屋に損害を与えた場合はたとえ自分の故意・過失でなくとも賠償しなければいけないことになります。
そんなわけで大家さんは修繕費を請求できる=敷金から差し引けることになっています。
逆に言うと、善管注意義務を果たしたうえでぶっ壊れた部分については基本差し引かれない。
つまりコメントで頂いたような「経年劣化」については基本差し引かれない。
【請求されない例】
・壁紙、畳などの日焼けなんかによる経年劣化
・冷蔵庫置き場の床に冷蔵庫の重みによってついた跡
・台風でものが飛んできて割れた窓ガラス
・地震で歪んだ網戸
【請求される例】
・喫煙により黄ばんだ壁紙
・なんか落としてつけた床の傷
・窓ガラスの結露によって生じた窓際のカビ
・水漏れを放置したために生じたシミ
なんとなくお掴み頂けたでしょうか?要するに自分に非がない部分については基本請求されません。
あ、結露は普通に気を付けてくださいね、特に北向きの部屋だと起こりやすいので。
※↑私のうろ覚え知識と主観が入りまくってるので必ずしもされる・されないを保証できない。ご参考レベルにお願いします。正しい知識については次の項にて。
ちなみに請求されない例にある「台風で割れた窓ガラス」とかはむしろ自分でお金出して修理したらその修理費は大家さんに請求できることに法律上はなってます。
まあ実際は大家さんに修理の依頼をするかたちになりますね。
※注意①
どうやら地域的な慣習によって差があるらしい。基本全額返金しますよとか、ある程度差し引かれるものですよとか。
これについては筆者は実体験としてなにも言わなくても全額返金されたことしかないので不明です。すまない。
(実体験→関西某地域で引き払ったマンション3部屋分)
※注意②
質問にもあるルームクリーニング代について。
①退去時に敷金から回収される場合
②入居時に初期費用として別途請求される場合
③礼金に含まれている
↑の大きく3パターンある。②が1番よく見る気がするけど。③の場合は入居時にも退去時にも特にルームクリーニング代というワードが登場せぬまま終わります。
そしてルームクリーニング代に(経年劣化によるものでも)壁紙の交換等を含んでいる場合もある。
大家さんの解釈次第な部分も大きいです。「多少日焼けしているが使えないことはない。ただこれじゃ入居者が不快だろうから、掃除の一環として壁紙貼り替えた」みたいな。
敷金を返してもらおう
「不当に敷金をさっぴかれてる気がする場合どうしたらいいか」についてお伝えしておきます。
まず敷金を差っ引いてなにに使ったのか、明細を明示せよと主張することができます(法律で保証されてます)。
だいたいは修繕費の明細見せろっていうと「こいつ、知識あるやつっぽくて面倒だな…」ってなって解決するって聞いたことがあります。
それでも堂々と過剰請求の明細を突き出してくるヤカラには「この請求って原状回復ガイドラインに沿ってるんですか?」って言うといいです。正当な請求でない限りこれでたぶん返ってくるってこないだネットで見ました。
なんと原状回復ガイドラインとかいう「どこまで修繕費を出す必要があるのか」ルールブックがちゃんと存在しております。presented by 国土交通省です。正しい知識。
なので今日の記事読んで「じゃあ〇〇の場合は請求されるのか?」って調べたくなったり実際に差し引かれた部分について違和感を抱いたり、ピンと来なかったりした方は調べてみてください。
まるなげ。
火災保険料について
そもそも火災保険料とはなんぞや。
火災保険料っていうと建物にかける保険みたいな気がしますが建物の保険は大家さんがかけてる別の保険です。
みなさんが加入させられてるのは火災などで部屋が燃え上がった時に部屋の中の財産を保障するためのものです。
「別に俺の家に金目のもんないし、じゃあ必要ないやんけw」
と思ったあなた。間違いです。
火災保険はあなたの部屋のものではなくてお隣さんの部屋のものを保障するために加入することになってます。
あなたの寝タバコで火事が起きて建物全焼した時、保険にも入らずにマンションの入居者全員分の家財を弁償できますか?
弁償できんとか言われたら可哀想な他の入居者さんに一体大家さんはなにをしてあげられるというのか。おお可哀想に。なので最低限の保険には加入して頂きますというものです。
先述のとおり必ず入居時に加入させられますが、基大家さんの指定の保険に加入することがほとんどです。
ただ、稀にどこでもいいよという物件があります。その場合は会社で入れる保険とかだとお得になるって聞いたことありますが、どこがおすすめかはすみません私にはわかりません。しらべておしえて。
ちなみに「火災保険」というものの火災以外についても保障してくれます。なんかマンション敷地内の駐車場での事故も保障してくれるとかも聞いたことあります。
敷地内でなにかしら起こってお金かかったら、火災保険のことを思い出して確認してみるといいかもしれないね。
火災保険料も返してもらおう
まず火災保険って解約できることを知らない人がめっちゃ多いんですよね。たぶん入居時に勝手に請求に組み込まれてて、「強制らしいし」でとりあえず払っちゃうからだと思うんだけど。
当然のように黙ってたらなにも起こりません。
火災保険の更新のお知らせが届かないから更新されないだけで解約されません。住んでない部屋に保険かけっぱってこと。
ところがどっこい契約途中で解約の連絡をすると返金があります。返金の相場は調べてないんでわからないんですけど私更新後まもなく退去した?時に諭吉弱ほど?返ってきた気がします(うろ覚え)。
もちろん条件とか残り期間とかで0の可能性もあるだろうし金額変わるでしょうけど、言うだけで数千円程度返ってくる可能性があるってことです。
でもほとんどみんな知らないからそのままになってる。
損してますよ知って!!!!知ってて!!!覚えて帰って!!!!
まとめ
・敷金がやたら差し引かれた時は明細を見せろって言うこと
・火災保険料は退去時に必ず解約しましょう
次回予告
「引越し時期未定=最強の武器たりうる話」
予定では次次回あたりから実際に部屋を探す時のポイントみたいな話に入っていく、予定です。